自動車ローン滞納から車引き上げまでの流れを解説

 

ローンには大きく分けて

  1. 多目的ローン
  2. 目的別ローン

があります。

 

多目的ローンは申込時に目的を明らかにしなくてもよいもので、フリーローンという名称でも知られています。それに対し目的別ローンは、「何に使うのか」を明確にして、それに該当するローンを選択します。自動車ローンは自動車を購入するためのローンです。

 

金融機関によっては、「マイカーローン」「オートローン」と称しています。多くが購入する自動車が担保になっています。要するに、ローン会社が所有権者であり、購入者はあくまでも使用者です。

 

近頃では担保として設定していないものも見られますが、多くの自動車ローンは有担保ローンですので、債務者が契約を反故した時には自動車が引き上げられる可能性があります。引き上げられないようにするためには、引き上げに至るまでの流れを把握しなければなりません。

 

自動車ローンの延滞→督促→車両引き上げまでの流れ

ローンとは、ローン契約を行った人に代わって信販会社や銀行などの金融会社が代金を支払い、契約者が債務者となって月々分割で金融会社に返済として支払うものです。月に決まった日、いわゆる約定日に、銀行口座からの引き落としや振り込み等によって支払います。約定日に支払いできないと、金融会社は督促を行います。

 

督促は支払いの遅延状況に応じて、一次督促、二次督促、三次督促があり、段階を追って高度な督促になってゆきます。一次督促は引き落としができなかった、もしくは約定日に入金されなかった段階で開始されます。電話や郵便といった方法が用いられます。おおよそ1か月程度が、この一次督促の期間です。

 

引き落としで返済されている場合、再引き落とし日が設定されている金融機関が多く見られます。例えば毎月25日に引き落としされているのであれば、この日に引き落としできなかった時には、翌月の12日あたりに引き落とし日が設定され、再度引き落としをするといったものです。再引き落としの連絡は、「再引き落としのご案内」といった内容で、郵便を用いて知らせることがほとんどです。

 

再引き落としもできなかった時には、電話や郵便で督促します。再々引き落としが設定されていれば、再々引き落としの案内も行われます。再々引き落としでも入金されなければ、電話と郵便で、これ以上延滞が続くようであれば車の引き上げもありうるということが告げられます。督促の電話に対応しないと、状況は悪くなります。対応したからと言って必ずしも猶予が与えられるということもありませんが、支払う意思の有無は、場合によっては大きく影響することもあります。

 

金融会社によっては、スケジュールに応じてくれることもあります。もしこの期間内に入金がなされなければ、二次督促に異動します。電話や郵便といった方法に加え、自宅に行って督促を行う事も方法に加わります。それでも入金がないまま次の引き落とし日を迎え、なおかつこの月も引き落としが出来なければ、車引き上げに向けた動きになります。これが三次督促です。

 

もしこの月に正常に引き落としがなされていると、支払いの意思はある程度明確です。延滞している前の月の支払いをどのように正常化させるのかの話し合いになり、それが車の引き上げの話し合いよりも優先的に行われます。滞納していることで、それを解消しない限り最終的には車引き上げに至ってしまいますが、車引き上げが金融会社にとって決して有益なものではありません。できるだけ避けたいものです。

 

次の月も引き落としができなかった場合、または信憑性の高い支払い計画が出されなかった場合、電話や訪問によって、車の引き上げ日が決められます。それまでに支払いができれば車引き上げはされません。できなければ車引き上げが実行されます。引き上げられた後の日にちで最終期日が設定されます。

 

それまでは、引き上げられた車は金融会社が「預かる」形になっています。最終期日までに入金されれば、車は戻ります。最終期日までに入金されなければ、車は売却されます。

 

他のローンより督促が厳しい

自動車ローンはほかのローンと比べ、審査が高度で督促が厳しい傾向にあります。有担保ローンは一般的に金利が低く、審査も担保の価値が確定できれば通りやすいとされています。

 

自動車ローンは、所有者として金融会社が設定されているのであれば、有担保ローンです。しかし有担保ローンでありながら、審査や督促が厳しいといった背景には、担保となる車の特性が関わってきます。

 

車は日を追うごとに価値は減少していきます。例えば200万円の新車を購入した場合、購入した途端に新車ではなくなります。もはや200万円の価値ではありません。

 

更に日が経過すれば、それだけ物としての価値は減少し、売却しても値段が下がります。担保としてみたときに、そのような経年による価値下落が顕著な品物は、不安なものです。ですから自動車ローンは金融会社側から見ると、有担保ローンとしては大変未回収リスクの高い商品です。

 

残債を回収できなかった時は最終的に車を引き上げて売却するために車を担保にしていたとしても、損失を出してしまう可能性があるのです。少なくとも、それまでの入金された元金と利息、それと引き上げた車の売却価格を合わせて貸付金額に足りるというのが、金融会社にしてみれば、損失を最小限に抑えられた状況と言えるでしょう。回収事故が起こるまでの期間が長ければ長いほど車の価値は下がっていきますが、その間に元金と利息は回収できています。

 

要するに、ローンの支払いが開始されてすぐに回収できない状況になると、必ず損失が出てしまいます。それは避けなければなりません。有担保ローンとして金利は低めに設定してありますので、ちょっとやそっとの期間では、「まったく損失が出ない」ということにはなりません。車が担保になっていることは、金融会社にとって「大きな安心材料」とは言えないのです。ただし車の引き上げは、債務者にとって一大事です。それなりに債務事故を起こさない努力を喚起することができます。

 

有担保ローンは一般的に過去に債務事故を起こしている人であっても、審査に通る可能性があるローンの一つです。担保が回収リスクを軽減させるものと考えられているからです。しかし自動車ローンに関しては、過去のクレジットヒストリーに債務事故があると、なかなか通りにくいとされています。審査に通す時でも、人的保証をつけることが必須と言われるケースも多々あります。

 

また、回収リスクを軽減させるため、頭金を用意することを勧められることもあります。頭金を入れることで、貸付金額が抑えられ、もしもの場合にも損害が小さく抑えられます。こういった厳しい審査があって契約に至っても、なおかつ督促が厳しいのが自動車ローンです。車引き上げを行って売却することになったとき、時間が経てば経つほど売却価格は下がります。

 

素早い解決が損害を最小限に抑えることにつながります。督促が厳しく、期間が柔軟ではないのはそのためです。一般的なローンが法的手段を講じるまでに半年ほど猶予を持ってくれる金融機関がある中で、自動車ローンにおける車引き上げは、一か月半の滞納を目安に行われます。

 

自動車ローン延滞の危険度チェック!

自動車ローン滞納は、支払いがなされなかった場合、最終的には車引き上げで完了します。ただし急に引き上げられることはなく、延滞している期間に応じた督促が行われ、それでも改善されなければ車引き上げになるというものです。

 

銀行口座からの引き落としで月々の支払いを行っているケースの、期間に応じた督促を紹介しましょう。

 

1回目に引き落としができなければ、引き落としができなかったことと、再引き落とし日を知らせる郵便が届きます。この時点では電話での督促は行われません。最初の引き落とし日に引き落とされるのが当然なのですが、アクシデントは誰にでもあり得ます。これでペナルティが付くことはありません。

 

督促は引き落とし日から1週間以内には届きます。封書かシール式のはがきで送られてきます。封筒やはがきには督促とは書かれずに、親展と書かれています。再引き落としのお知らせとともに、近頃ではそのはがきや封書にコンビニ支払いもできる振込用紙が付いてくるものもあります。どちらか都合の良い方法で支払います。

 

この時点で遅延損害金が付く金融会社も多くみられます。遅延損害金に関しては18%課される可能性があります。通常の引き落としの金額と再引き落としの金額が違いますので、注意しなければなりません。督促にかかった郵便代なども別途請求され、それが合算されていることもあります。

 

再引き落としの日は約2週間後です。この日にまた引き落としができないと、郵便での督促も行われますが、契約時に登録した自宅の電話番号や携帯電話に連絡が入ります。再々引き落としが設定されている金融会社であれば、そのお知らせを行います。この電話に対応しなかった時には、職場に電話が入ることもあります。個人名で電話が入るなど、プライバシーには留意しています。

 

この時点ではまだ事故ではありませんし、信用情報機関に異動情報として掲載されることはありません。再々回の引き落としや支払の期限は1週間後です。もし再々引き落としできなかったり、ほかの方法でも遅延が解決できなかった時には、危険度はかなり高くなりますが、まだ挽回できます。電話と郵便で、支払いがなされなければ車引き上げが行われる可能性があるということが告げられます。それによって支払いを行うように促します。

 

次の月の引き落としまでに支払いがなされなければ車を預けることになりますが、その前に車が引き上げられることはありません。この間に解決できれば、遅延損害金程度の最小限のペナルティで事なきを得ます。もし次の引き落とし日までに解決できなかったときに、危険度は急激に上がります。それを越してしまうと、電話等によって、車の引き上げ日の日時の約束をしなければなりません。

 

ただし支払いのあてがあり、「いついつまで待ってほしい」という返答が債務者のほうからあれば、それまでは待ちます。どんなに危険度が上がっても、電話などにきちんと対応することが大切です。

 

約束が守られなければ危険度はマックス。車は引き上げられ、さらに最終期日までに入金がなければ車は売却されます。最初の滞納から数えて1か月半から2か月の期間が目安です。信用情報機関にも直ちに債務事故として掲載される可能性があります。タイミングは会社ごとにまちまちです。

 

ボーナス払いは遅れると大変なことに!

ボーナス払いは平常月に支払い額を抑えるためにボーナス月に多く支払う方法です。ボーナス月は通常の支払いに加算されることつになりますので、かなり高額になるケースがほとんどです。ボーナス払いを延滞した場合も。1か月半から2か月で車引き上げに至ります。通常月に支払いがきちんとなされていても、ボーナス払いが出来ていなければ、この流れになります。

 

カードローンなどはボーナスでの支払いが難しい」となった時点で、リボ払いにするなど、払方変更を行うことが可能ですが、自動車ローンは途中で払方変更などを行うことはできません。例えば転職によってボーナス月が変わったり、会社の状況の変化でボーナスの金額が激減することはよくあることです。しかしそういった変化を理由にボーナス払いを変えることができません。

 

月々の支払いを軽減さえるために、極端にボーナス払いを高額にするのは危険です。実際にボーナス払いがきっかけで延滞することになってしまった人は少なくありません。ボーナス払いは一部入金で話し合うことができませんので、例えば10万円に設定していれば,必ず10万円を支払わなければならないものです。ただし、金融会社も支払いされないで車引き上げになるよりは、支払ってもらったほうが損害は少なくて済みます。しっかりした支払いの日時が約束できれば、できる限り待ってくれる姿勢は見られます。

 

とにかく逃げ隠れすることなく、電話連絡を行い、かかってきた電話に対して誠心誠意対応することが先決です。ボーナス払いの金額が大きいため、「もう支払えないから車を引き上げてくれ」という人もいます。車を売却すれば借金がなくなると考えてしまいがちです。しかしもし売却価格と残債の間に差額があれば、その支払いは債務者がその後も支払い続けることになります。

 

最初にローンを組んだ時よりも金額は小さくなっていますし、売却価格も差し引かれますので、金額自体は小さくなります。それでも車をなくした上に支払いだけが残るのですから、釈然としない気持ちになるものです。また車引き上げまでになっている債券は事故扱いです。残債についてのローンを組むときに審査があり、人的保証を求められます。

 

今、保証人になってくれる人は身内でも少なく、探すのは容易ではありません。このローン審査に否決する人はほとんどいませんが、人的保証で苦労する人は多いのが現状です。このように、支払金額が高めになるボーナス払いがきっかけで、滞納に陥る危険性がありますので、もしボーナスに何らかの変化があっても対応できる金額で契約したり、ボーナスをあてにしなくても何とか支払いができるように対策を講じておくべきです。

 

またボーナスの支払い月が1か月ずれるなどがあったときには、徐々に危険度が増していきますが、1か月半以内に最悪でも支払いができれば、解決できます。信用情報に滞納の事実が掲載されても、正常化した後滞納がなければ、一定期間経過後に掲載も消えます。完済すれば、完済がポジティブな情報になります。

 

ローンの返済途中で債務整理をすると・・・

債務整理には

  1. 任意整理
  2. 特定調停
  3. 自己破産
  4. 個人再生

の4つがあります。

 

任意整理と特定調停の場合には、自分で整理する債務を選ぶことができます。保証人が付いている債務であれば、話し合いに債権者が応じることなく、保証人に請求することが順当です。これが有担保融資の場合、その担保を引き上げることを債権者が主張し、支払い方変更などに応じてくれない可能性があります。

 

ですから任意整理の場合には、保証人付き債務や有担保融資の債務については、整理する項目から外し、通常通りの支払いを続けるのが一般的です。車を必ず手放さなくてはならないということにはなりません。しかし自己破産や個人再生の手続きによって債務整理を行う場合は違います。

 

ローンの残債があり、所有者が債権者である金融会社になっていれば、その金融会社によって車は引き上げられます。使用者が「車のローンだけは支払うので、このまま使用したい」といっても、一つの債権者だけに支払いを行うことは認められません。ほかの債権者と同様に、自由財産以外財産を公平に分配することになります。金融会社の車引き上げを拒否することもできません。

 

ただし、金融会社との話し合いによって債務者を変え、その人がローンの残債を支払い続けるのであれば、引き上げを回避することは可能です。

 

例えば自己破産を行う人物の親が新たな債務者としてローンを組みなおし、支払いを続けるのであれば、問題はありません。親との話し合いによって、その車を使用することが許されれば、引き続き乗ることができます。

 

ただしあくまでも所有者は親です。自分にしてしまうと財産となり、価値が20万円を超える車であった場合には、自由財産から外れてしまいます。

 

ここで確認しなければならないのは、自動車ローンが残っていても、所有者が金融会社になっているのか否かです。自動車ローンは有担保融資であるというのが常識でしたが、近頃では担保を設定していない自動車ローンも増えました。所有者も使用者も債務者本人であるといったケースです。

 

この場合は金融会社からの車引き上げを拒否することができます。拒否することで財産になってしまい、その車の価値が20万円を超えていれば、財産として計上し、処分して債権者に分配しなければなりません。しかし20万円以下であれば自由財産として、そのまま所有することが可能です。その判断は裁判所が行います。車が業務上、必ず必要であるなどの、やむ得ない理由があれば、引き上げを拒否したり、財産から外してもらえる可能性があります。

 

このような方法で債務整理を行うと、しばらく自動車が購入できなくなる可能性が高く、業務上必要であれば、生活がたちまち困ることになります。裁判所が柔軟に対応してくれることも多々あります。弁護士依頼していれば、その弁護士に相談しましょう。所有者が本人になっているケースを除き、かなり難しいものではありませんが、理由いかんによっては「絶対に無理だ」とも言えません。

 

とにかく最初に所有者が誰になっているのかの確認が必要です。

 

契約者が死亡した場合のローン

契約者が死亡したか否かを、自動車ローンの債権者が知ることは難しいものです。例えば家族も自動車ローンの存在を知らなかった場合、引き落とし不能でそのまま滞納扱いになり、車引き上げが行われる日時に到達するということもあります。遺族が口座がある銀行へ本人死亡の届け出を行うと、口座は凍結されます。それ以降引き落としができなくなります。

 

引き落とされていた項目から遺族が自動車ローンの存在を知り、連絡を入れてもらうといいのですが、凍結されると必要なお金も引き出せなくなるので、凍結を遅らせる可能性もあります。そのタイムラグが延滞を発生させる可能性もあります。

 

延滞から2か月近く経過して車引き上げの対象となっても、債権者である金融会社が勝手に車を持ってゆくということはできません。必ず本人立会いの下で行われます。死亡していると本人は既に存在していません。手続等がなかなか進まないことになり、すべてが頓挫してしまいます。

 

そこでマメに郵便や電話でお知らせを入れることになります。自動車も遺産の目録に入れなければならないものです。

 

大概遺族は所有者となっている金融会社の名前や引き落とし状況をチェックすれば、ローン返済中であると察することが可能です。何らかの連絡は、遺族から入るものです。その時点で延滞になっていた時には、すぐに車引き上げられるようなことはありません。その車を相続する遺族があれば、その人物が残債をすべて支払ったり、新たに債務者になって返済してゆけばよいということになります。

 

延滞から2か月程度経過しているとその時点で「車引き上げを行う」と主張してもおかしくないのですが、事情も事情です。猶予を認めてくれることが少なくありません。そちらのほうが問題なく回収できる可能性が高いと判断してのことです。誰が相続するのかその時点で決定しているのであれば、問題なく話を進めることができます。しかし、相続放棄の決定は、3か月経過前に行わなければなりません。

 

よって死亡してからほぼ3か月待てば、誰が残債のある車を相続するのかも決定します。その程度は待ってくれるのが一般的です。残債は相続する人の相続財産として扱われます。もし相続を放棄した場合、その車はそのまま金融会社が引き上げ、売却されます。滞納しているものだとすれば、元の債務者の事故のままです。

 

すでに生前から滞納があった車であり、異動事故等も本来なら元の債務者のものになるはずだった時点で相続した時に、異動事故もそのまま相続した人につくのかというと、それはありません。あくまでも本来の債務者の事故です。

 

その後はどういった形で延滞を解消するかについては金融会社との任意の話し合いになります。事故については、新たに債務者が確定した後に発生した事故が新たな債務者の信用情報にかかわってくる部分です。また相続人が何らかの理由でローンが組めないケースであると、どのような解決になるのかも、任意での話し合いになります。

 

一括での支払いをお願いしてくるケースが多いのですが、話し合いの余地は十分にあります。また使用者名義は変えてそのまま支払うことで話し合いが落ち着けば、ローンの組み直しをせずに、審査がないまま完済まで月々支払うケースもあります。